お知らせ

形あるもの
形は
微視なるゆらぎの渦から萌し
三次元の空間へその身を起こし
時間という次元の織地を縫うように
四次元の時空の結び目として継続存在する
界をなす構成因子が
同質と異質を織り交ぜ
幾重にも組み合わされ
ただひとつの境界面によって世界を分かつとき
形は輪郭を得る

その内側に 速度の差異を抱えながらも
絶え間ない循環の営みが認められるとき
それは自律した存在物となり
みずからを更新し続ける揺らぎのさなかに
人は 生命の鼓動を識別する

形が作られる ということは
境界面という境界が引き直されること
すなわち
形は 世界において「個」が灯った証でもある
ゆえに
形が整う ことは
無秩序の海に 確かな文脈と理が宿ることを意味する
どうせなら
その形…
時の潮流に削られゆく人類においては
儚くとも 美しくあらんことを
願いたい
(前澤 祐貴子)