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【ご挨拶】No.45 「形あるもの」 2026 09
ご挨拶 | 2026.09.21

形あるもの

​形は

​微視なるゆらぎの渦から萌し

​三次元の空間へその身を起こし

​時間という次元の織地を縫うように

​四次元の時空の結び目として継続存在する

​界をなす構成因子が

​同質と異質を織り交ぜ

​幾重にも組み合わされ

​ただひとつの境界面によって世界を分かつとき

​形は輪郭を得る

その内側に 速度の差異を抱えながらも

​絶え間ない循環の営みが認められるとき

​それは自律した存在物となり

​みずからを更新し続ける揺らぎのさなかに

​人は 生命の鼓動を識別する

形が作られる ということは

​境界面という境界が引き直されること

​すなわち

​形は 世界において「個」が灯った証でもある

​ゆえに

​形が整う ことは

​無秩序の海に 確かな文脈と理が宿ることを意味する

​どうせなら

​その形…

​時の潮流に削られゆく人類においては

​儚くとも 美しくあらんことを

​願いたい

(前澤 祐貴子)

 
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