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老成学研究所 > 時代への提言 > 『今、国学の呼びかけるもの』シリーズ > 『今、国学の呼びかけるもの』シリーズ ⑩ 本居宣長と「古事記」研究
『今、国学の呼びかけるもの』シリーズ
⑩
本居宣長
と
『古事記』研究
※ 当内容に関しましては 3本立て展開となります。
奈良時代の初めに選録された『古事記』は、その後あまり顧みられず、全文の満足な訓読も持たず、『日本書紀』の陰に隠れ 存在していました。
それが、今日では『古事記』を知らない人はなく、『日本書紀』と共に 略称される場合にも「記紀」と、「記」を上に書くようになりました。
これは 江戸時代後期の本居宣長による『古事記伝』が 広く人々に読まれ
その価値が認められたからです。
宣長は 『日本書紀』『万葉集』の理解のための補助資料にすぎない とされていた『古事記』が 漢文体でありながらも和文として訓まれるように書かれていることを重く見ました。
それは、全文が古語で訓読されるように考えた意図によるものと考え、漢文で書かれた『日本書紀』に比べて、古意をそのまま体得できる と考えました。
この基本的な考えに基づき 本居宣長は『古事記』の訓読と理解とに力を注ぎます。
明和元年(1764年)、宣長は『古事記』の本格的な研究に着手。
しかし、「天地初發之時」に始まる冒頭わずか700字余の訓読や神名の語義等ですら 書き上げるに 明和四年(1767年)5月までの 3年半が要とされました。
宣長は 基本を固めるため 各方面の研究にも全力を傾けました。
明和元年(1764年)から足掛け5年をかけ 真淵に対して繰り返し『万葉集』について質問しています。
また、翌6年(1765年)には 『續日本紀』の宣命についても質問を重ねていました。
このような努力を35年間積み重ね
『古事記伝』44巻は完成しました。
研究着手から出版完了までには 60年を要しています。
全冊の出版が完了するには 宣長没後 21年の月日を要しました。
(続)
(編集:前澤 祐貴子)
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浜松市立賀茂真淵記念館
URL: http://www.mabuchi-kinenkan.jp
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