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老成学研究所 > 時代への提言 > 久保田進一の「楽しんでる?」シリーズ > 久保田進一の「楽しんでる?」シリーズ ⑦ :映画「こんにちは、母さん」を観て
映画
『こんにちは、母さん』
を 観て
先日、映画『こんにちは、母さん』を観てきました。
監督は 『男はつらいよ』でお馴染みの 山田洋次監督 です。
この作品は 『母べえ』(2008)、『母と暮らせば』(2015) に続く「母」3部作の3作品目です。
当然、主演は 吉永小百合さんで お母さん役を演じています。『母べえ』でも『母と暮らせば』でも 吉永さんが主演です。その息子は 大泉洋さんです。
内容は 山田洋次監督の映画に見られる 庶民の何気ない日常生活の一部を 切り取った形のものです。そこに 笑いと感動があります。
山田洋次監督は 御年92歳です。90歳を過ぎても、まだ 映画を撮っている というのは すごいですよね。それから 主演の吉永小百合さんも御年78歳です。全然 78歳には見えませんでしたね。おばあちゃん役なのに、おばあちゃんには見えないとは、驚きです。
先日 『徹子の部屋』を観ていたら 映画の宣伝を兼ねてですが、ゲストとして山田洋次監督と吉永小百合さんが登場しました。司会は当然 黒柳徹子さん(90歳)ですが、皆さん お元気でしたね。
さて 映画の内容ですが、ネタバレになりますので あまり書きませんが、大企業の人事部長であるが 妻子とはうまくいっていない息子が 久しぶりに実家に帰ってくると、母親が 近所の牧師さんと いい関係になっている ということで 戸惑ってしまう という話です。
そこに 友人のリストラ話があったり、大学生の娘が 大学がつまらないから行かない とか 妻とは別居状態になっているとか、いろいろ問題を抱えているのに 母親が恋愛しているということで 中年のサラリーマンの悩みを 一身に抱えているのです。
ちなみに 母親の恋人役には 『ルビーの指環』の寺尾聰さんです。
この映画では 年を取っても 人を好きになる ということで 生き生きと 生きていける ということが描かれていました。「老いらくの恋」 と言われることもありますが よろしいのではないでしょうか。
また 映画の中で 吉永さんの台詞で
「死ぬのが怖いのではなくて、動けなくなって、寝たきりになって、他人に世話をしてもらうのが怖いの」
と言うのは 実感がこもっているな とも思いました。
確かに 古代の哲学者 エピクロスが
「死はわれわれにとっては無である。われわれが生きている限り死は存在しない。死が存在する限りわれわれはもはや無い」
と言うように、死が到来する時には われわれは存しないから 怖くもないのである。
いずれにせよ、「生きているうちが 花なのよ、死んだら それまでよ」 ということに なるのでしょうか。
(編集: 前澤 祐貴子)
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