老成学について

以下 一般社団法人 老成学研究所 初代所長 森下直貴氏(第一期 2018 08 31~2022 12 31)が
 当法人において自身の生涯を賭けて普及させたいとされた持論 老成学 の簡略な説明です。
2018年 当法人創設時に著した第一弾内容を2021年に改訂したものとなります。

人はたいてい老人になる。人生100年の後半の50年はいかにも長い。
老い方を組み立てるには「成りたい老人」のイメージが必要だ。
しかも、このイメージは人生後半だけにとどまらず、前半を含めて人生全体を組み立てる上でも重要である。
とはいえ、「成りたい老人」を描くことは容易ではない。
なぜなら、21世紀の日本は、人口減少への対応や、デジタル化の推進、環境に配慮した経済への転換、
世代間で不公平な社会保障の改革といった課題を抱えているからだ。
その限り、これらの時代の課題を引き受けることが「21世紀にふさわしい老人」の条件になる。
この条件を探求するプロジェクトが老成学である。
「21世紀老人」とは現時点の老人だけではなく、中高年や若者のあなたでもある。

3つのポイント
人口減少

2021年現在、日本の人口は約1億2500万人。

2065年は約8800万人、2100年に約5000万人、そして2200年には約1000万人となる。これは現在のスウェーデン並み、徳川時代初期の水準と同じだ。

参考資料:河合雅司『未来の年表』講談社現代新書、2017年
 国立社会保障・人口問題研究所ホームページ
 厚生労働省ホームページ

社会保障

日本の社会保障は現役世代から老齢世代に仕送りするしくみ(賦課方式)をとる。保険料と公費を合わせた社会保障給付費は2021年予算で129.6兆円。社会保障給付費はGDP約550兆円の4分の1の規模だ。

保険料の不足分約60兆円は公費投入(ほぼ国債発行)で穴埋めされる。しかし、社会保障給付は毎年3〜4兆円増加し、累積借金は1500兆円を超える。祖父母世代と孫世代の給付格差は約1億円になる。ここに信じ難いほどの世代間不公平がある。

参考資料  鈴木亘『社会保障亡国論』講談社現代新書、2014年
財務省ホームページ「日本の財政を考える」

人生100年時代の老人の役割

老人の役割はいつの時代も、同世代の互助、若者世代の支援、自らの死の準備である。しかし、時代の課題がある。人口減少とデジタル化の中での経済縮小への対応や社会保障の改革などだ。それらを深刻に受け止めるなら老人の役割のかたちは変わらざるをえない。

必要なことは人生後半の50年を組み立てるために「21世紀にふさわしい成りたい老人」のイメージを持つことだ。さらにその目標も必要だ。それは最晩年期における老い方、つまり死の迎え方が担う。最期の生き方を目標にしてそれまでの50年をいかに老いるか。基本的な方向性は四つある。

老成学の具体的な活動

老成学は、21世紀の日本の課題を向き合う中で、全ての世代に向けて「人生100年時代」の生き方を研究する。
研究活動の具体的な方針は四つある。
研究活動はホームページに掲載される。
関心のある方の参加を期待している。

21世紀老人とは、現時点の老人だけなく、
中高年や若者のあなたでもある。

一般社団法人老成学研究所について

The 21st Century Elderly Institute for Our Creative & Sustainable Future
私たちの創造的で持続可能な未来のための21世紀老人研究所

<老成学>を研究し普及するための国内外唯一の拠点
 2018年8月31日設立

事業

・多世代の連携・協働による持続可能社会(老成社会)の実現に関する研究
・講演・出版等による研究成果の国内外への発信
・国内外の関係者が交流するための場の提供(本ホームページの開放)
・老成学の理論的研究の推進(→ システム倫理学を参照)

シンボルマーク

老人(赤紫)と若者(青緑)の連携・協働の象徴。
S字形は、螺旋のうねり、System、Society、Structure、 Scheme、Strategyなど、多義的、
斜めの長い線は生死の軸、
23.5度の傾きは地球をイメージし、
短い二軸四区分は意味世界の構造を示します。

組織図

役員

代表理事 
森下 直貴:総務、企画、学術研究担当

専務理事 
前澤祐貴子 :企画、広報・渉外、HP編集担当

所在地

〒431-3126 浜松市中央区有玉台4−16−14
Tel&Fax: 053-435-4903

代表理事・所長プロフィール

森下直貴(もりした なおき)

1953年生。哲学者。
東京大学文学部卒、同大学院(博士課程)を経て浜松医科大学助教授、教授。
2019年3月退職、浜松医科大学名誉教授。
専門は、生命倫理学、日本哲学史、老成学。
2012年に「システム倫理学」、2014年に「老成学」を提唱。

森下直貴(もりした なおき)

1953年生。哲学者。
東京大学文学部、同大学院(博士課程)を経て浜松医科大学助教授、教授。
2019年3月退職、浜松医科大学名誉教授。
専門は、生命倫理学、日本哲学史、老成学。
2012年に「システム倫理学」、2014年に「老成学」を提唱。

私はこれまで30年余り、大学の場で医大生・看護学生・医療研究者に講義してきました。また、研究所、病院、市民講座でも他学部学生、研究者、市民に向けて講演してきました。テーマは、医療倫理、研究倫理、健康観、死生観、若者文化論、AIロボット論、生殖医療(育児)、QOLなど多岐に渡ります。振り返ればそのすべてが老成社会と密接に関連しています。
<老成社会>は高齢者世代だけのものではありません。むしろ将来の老人である若者世代こそ主役となるべきなのです。
私は残された人生を老成社会の実現のために全力を注ぐつもりです。
<老成学>関連の講演依頼については、本サイトのお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

著書 (主要なもの)

『日本社会と生命倫理』(編著、以文社、1995年)
『死の選択ー生きる現場から考える』(窓社、1999年)
『臓器交換社会ーアメリカの現実・日本の近未来』(共訳、青木書店、1999年)
『「生きるに値しない命」とは誰のことかーナチス安楽死思想の原典を読む』(共著・共訳、窓社、2001年)
『ケースブック医療倫理』(共著、医学書院、2002年) 
『健康への欲望と<安らぎ>ーウェルビカミングの哲学』(青木書店、2003年)
『健康の本質』(監訳、時空出版、2003年)
『水子ー日本文化の底流』(共訳、青木書店、2006年)
『<昭和思想>新論ー二十世紀日本思想史の試み』(共著、文理閣、2009年)
『生命倫理学の基本構図』(編著、丸善出版、2012年)
『生命と科学技術の倫理学』(編著、丸善出版、2016年)
『システム倫理学的思考 対立しながらも、つながり合う』 (幻冬舎メディアコンサルティング、2020年)
『新版「生きるに値しない命」とは誰のことか』(佐野誠と共編著、中央公論新社、2020年)

© 老レ成 AGELIVE. All Rights Reserved.
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