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防潮堤(3) エネルギーからの視点
時代への提言 | 2020.12.20


エネルギー保存の法則…誰しもどこかで聞いたことがあるだろう

エネルギーは形態を変えても総和は変わらない

有史以来、過去の戦争の多くは究極 エネルギー争奪戦であった

人類、国家…人間社会レベルではエネルギー確保は生存権に直結する

エネルギー…

太陽から発されたエネルギーは地球に到達…

ベクトルと形態を変えながら

全ては

循環しながら流れ

変わりつつも繋がる

エネルギー循環の動流にないものは存在しない

エネルギーの存在のあり方は様々である

そもそも津波も“津波“という型の放出エネルギー形態である

残念ながら、その出力の有り様は

人類社会にとって破壊的脅威となってしまう

津波が有するトータルエネルギー算出は容易ではない

様々な要素が絡み合い、いわゆる人類社会に被害をもたらす要項群、

速度、高さ、範囲、持続時間が決定される

“様々な要素群“とは、例えば、地震発生因、地震継続時間、発生点/線/面、周辺の地理的特徴…組み合わせは無限大に近く、結果のsimulationはケースバイケースと言っても過言ではない

例えば、極めて大雑把に表現すると、マグニチュードが1増加すると、地震エネルギーは約32倍になる

例えば、津波とは海底で発生した地震により海底の地盤が動き、海底面に表れた鉛直変位がそのまま海面の鉛直変位となる。これが津波の初期波形である

しかしながら、その後そのエネルギーは、数々の理論方程式(弾性理論、線型長波理論/非線形性も含む、海底摩擦を考慮する浅水理論、リープ・フロッグ法…)を駆使し、スーパーコンピューターによる可視化システムを登用しても途中で生ずる誤差を把握しながら進めるため、精緻な予測は非常に困難であると言わざるを得ないのが現状である





それほど様々な要素群とは多岐に亘り、複雑に交錯し、影響を与え合いながら進行していく関係性にある、と言えよう

避難訓練、防潮堤などの社会的対策が要される地震クラスとなると、その爆発的エネルギーの算出は僅差の条件差で10のn乗レベルの桁違いが生じる

そのエネルギーに添いながら、立ち向かい、最小限の被害で吸収する知恵と技巧を投下するのが現代の津波対策である

時間、費用、技術、受け入れ体制…方向方針が定まっても

実質的な具体的対策が具現化し、現実のものとして活用可能となり

準備体制が整備完了に至るまでには

関係者の汗と努力と何より熱い気持ちがなければ達成できない

それがこの浜松の地で  結果として 出来た  ことは一つの奇跡とも言える

莫大なるエネルギーを阻止するにしても、活用するにしても

弾き出されるその天文学的な数値を制御/利用するには

今を生き、未来を続かせようとする人類が傑出した叡智を結集しなければならない

未来は究極 未来を願い引き寄せようとする人類の想い/願いからしか生まれない

* 次回は21世紀に達した人類の知恵の結集として エネルギー循環の法則の中でいかなる工法をもって時代の最先端技術を自然に落とし込んだのかを紹介させていただきたい

(文・写真: 前澤 祐貴子)

参考: 静岡県公式ホームページ 

     浜松市沿岸域 防潮堤整備事業 〜オール浜松でやらまいか〜

https://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-890/bouchoutei/

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