交流の広場
老成学研究所 > 時代への提言 > 【寄稿E】演劇研究家 遠藤幸英シリーズ > 【寄稿E】[13] 『アメリカ西海岸でUberと無人タクシーの初体験』 遠藤幸英
アメリカ西海岸で
Uber と 無人タクシー の初体験
演劇研究家
遠藤 幸英
先日(2024年11月初旬)1週間かけて
San Francisco、San Diego、最後にLA を旅してきました。
朝夕は 若干冷えるものの 昼間は(兵庫県宝塚在住の私には)夏のように感じました。アメリカといえば、10年ほど前 San Franciscoに出かけて以来のことです。San Digoは実質初訪問。メキシコとの国境が近いだけあって 公共交通の車内アナウンスも英語とスペイン語の両用でした。
運転免許を既に返納した私にとって 気になるのは 空港からダウンタウンへ出るアクセスの問題です。Bart という鉄道が結構便利になっているSan Franciscoは良しとして、San DiegoやLAは かつてのような安い(乗合い)シャトルバスがなくなり、タクシー か Uber に頼るしかありません。値段は Uberの方が安いのは 言うまでもありません。
スマホにUber App.をダウンロードし予約すれば 直前の乗車予定であろうと 実に簡単かつ安心です。San Diegoでは メキシコ人ドライバーでしたが、親切な対応でした。メキシコの自宅は 車でならすぐ近くだ とか。そんな話は 地続きの国境に馴染みのない日本人の私にとって驚きです。
また LAでも好感のもてるドライバーさんでした。
往路は トラックの運転手と兼業しているという若者、復路は 韓国から移住して5年になるという中年男性。Uber営業は 彼の仕事の一部でしょう。長男がボストンで大学生活を送り始めたそうで 生活費のやりくりが大変だ…とのこと。レストランで食事どころか 故国の匂いが充満している(市内の)コリア・タウンにも出費が痛い とかで ほとんど出かけないらしい と話してくれました。
レストランで食事をしない点で、吝嗇の私は 大いに共感を覚えました。実は、もともとグルメでない私なので 旅行中もスーパーでサンドイッチやサラダ・パックなど 簡単な食事で済ませてきたのです。
日韓の歌手が年一度合同公演する番組がお気に入りだというので、つい 私はチュ・ヒョンミ(周玄美 Joo Hyun Mi)という有名トロット歌手の名前を口にしてしまいました。ドライバーさん、プット吹いてしまった。50歳になっていないだろうこのドライバーさんにとって 60歳を越えたオバアさんみたいな存在であるチュ・ヒョンミ。そんな彼女のファンである私もオジイさんだ と勘づいたのでしょう。
LAと韓国文化は 私の心の中で深く結びついています。
1990代後半 LA留学時(多分日本恋しさからか)タダ見していたTVで 韓国KBSが土曜の夜(漢字表記された番組)『歌謡舞台』放映されると気づいて だいぶ慰められました。
昨今と大いに違って 当時は 韓国の<反日>感情は表面化しておらず、私も抵抗を感じずに アパートの近所にある韓国文化センターの韓国映画上映会(英語字幕付き)を楽しみにしていました。
Uberで思い出すのは 10年近く前、ロシアはサンクト・ペテルブルグまで バレーとオペラを観に出かけた時のことです。
当時は 耳にすることもなかった Uber に相当する白タクまがいのタクシーのお世話になりました。予約アプリがあったかどうかはわかりませんが、ホテル経由で予約していました。ドライバーさんは皆 感じが良かった。
とりわけにこやかに応対してくれた若者は 英語が得意じゃないから と スマホの翻訳機能を活用していました。
(彼は対ウクライナ戦で徴兵されたりしていないといいのだが…)この手のタクシー営業は 当時のロシアの法律では合法だったのだろうか。
話が横にそれました。多少話を戻し 無人タクシーの乗車体験について…
Self-driving car, Robo[tic] taxi という呼称で San Franciscoを始め アメリカの大都市で 徐々に普及しているようです。Waymo社が有名らしい。
友人が私をもてなそうとしてか 自宅からde Young美術館まで 無人タクシーを体験させてくれました。車体の下部の四隅に光るセンサー。それより何より 車体上部に出っ張った大きめの(パト・ランプみたいな)回転するアンテナ?Waymoでググると 動画がいくつも見つかります。(日本人による乗車体験動画もあり)
安全運転を励行しています。途中 前方に道路工事の車が停車していて 無人タクシーは戸惑いました。友人がコール・センターに問い合わせると 人間が丁寧に応対してくれ 運転は再開。
但し 友人の話によると、歩行者を轢き殺す事例が1件あったそうです。そのせいでか 普及が伸び悩んでいるらしい。帰国後ググってみると、通行人に重傷を負わせた事例は掲載されていたが、事故の日時など詳細はなく、死亡事故は一つも出てこない。無人タクシー運営会社の思惑で 何か隠蔽されている感じがします。
ちなみに、日本は白タク規制が厳しい。にも関わらず 隣国Chinaから来た猛者たちは 「友人・知人の送迎しているだけだ」 という口実で 堂々と無許可タクシーを運行中。日本は 甘々ですね。
(編集:前澤 祐貴子)
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