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音楽の流れるところ  寺川 進
時代への提言 | 2026.01.31



音楽の流れるところ

寺川 進




1.Santiago de Compostela


Santiago de Compostela

実は、Santiago de Campostela  星降る野原の聖ヤコブ(= 聖ヤコブの墓廟)

キリストの十二使徒のひとり聖ヤコブの墓が見つかった場所

ホタテの殻を背に人々が巡礼する聖地

今は スペイン・ガリシア州の都

聖ヤコブの墓の上に建てられた大聖堂が同名の教会だ

2025年1月 ここでピアノのリサイタル (7月放映)

作曲と演奏は 上川ミネ

ピアノには KAWAI の文字が輝く

伴奏か重奏か 教会のオルガンがパートナー (Adrian Regueiro)

 

大聖堂で鳴るピアノの音は

深みのある長時間残響を纏い素晴らしい

拙著「神の授けもの」(https://re-ageing.jp/33207/)のリバーブ装置が有効

正に 天上界から聴こえる有り難い響き

 

 ♪ 月の浦 ♪ では 北斎のGreat Wave を想わせる低音のうねり

三陸からスペインへ向かった慶長遣欧使節(支倉常長ら)の航海

インド洋の漆黒の夜空に

指先で星を撒くような高音の煌めき

その旅路をなぞるコンサート

これ以上のピアノの音は望まない

♪ Ave Maris Stella ♪ は ただただ涙 涙



企画が素晴らしい(Television de Garcia & NHK)

ピアノとオルガンのデュエットを初めて聴いた

男性がオルガンを 女性がピアノを

いにしえなら笛と琴の組み合わせ

連続振動と弛緩振動が重なる

蝶のカップルが宙を舞い踊る

極上の調和



ロケーションが最高

大聖堂の建築物たるパイプオルガン

2300年前 ギリシア時代のアレクサンドリア

水圧で空気を吹き込んだ鍵盤楽器が水オルガン

ヨーロッパで巨大になったパイプオルガン

それが ユーラシア大陸の西端 大西洋を臨む地に立つ

 

古代エジプトやメソポタミアで 腕に抱く琴が生まれた

ドイツでグランドピアノに

ユーラシア大陸の東端 太平洋を臨む浜松の地で大成

西と東から向き合う至高の名器

2000年の時を経て これほど素晴らしい音を作り出すとは





音楽は触れない

音楽は食べられない

だから奪い合えない

皆で共有できる

ゆえに平和なのだ



2.鴨江寺に護摩行があることを教わった

 

ユーラシアの東端で奏でられるいにしえの音楽

 

建物は鮮やかな朱色塗り

木造白壁の堂内はとてもよく響き

高野山伝来の護摩行で

大太鼓の振動は超低音で

耳を介さず全身に染み入る

身体中の細胞が超低周波で振動する

細胞が 百倍もあろうかという大きさの波に乗る

IMAXの超低音体験は1200年前でもできたのだ



太鼓は空気を潰し

身体を射貫く砲弾を造る

砲弾の連続発射が密教秘儀

身体から穢れも魔物も追い出す空気砲

邪心が吹き飛び

前進する勇気が湧く




僧の読経が射るように

解せないけれど 刺さる音はアートを刻む

感じられる何かがあれば それがメッセージ

年齢や声音の違う二人の僧が 

絶妙な調和を編み上げる

そして空海が

2人の口から私に語る



まことの言葉

真の言(ことば)

真言

真言

真言



祈りを記した護摩木が焚火に

木っ端が灰となるまで 炎が生まれる

火炎の色も動きも神秘的

「護摩化す」ことの真の意味が分かる



人の脳には 炎のようなものが立ち上がる

脳に魂が巣くうことは無い

それでも 智慧の炎が立ち上がる




3.九品仏浄真寺の空に流れる音楽

 

子供の頃 古楽器が奏でる響きを聞いた

 


九品仏(くほんぶつ)は私の通学路

放課後は

缶蹴りや鬼ごっこ遊び

真夏でも大学生がスケートの基礎練習

私はその前にしゃがみ込み

滴る汗の池を見た

チャンバラ映画のロケも見た

本堂下に蟻地獄の天国を見た

香しい銀杏をポッケ一杯に

暗くなる頃

墓地の隙間をご帰宅だ



そんなお寺の境内で

3年に1度の「おめんかぶり」




阿弥陀如来二十五菩薩来迎会

此岸の上品堂と彼岸の本堂の間

 


© Kuhombutsu Jyoshin-ji
写真3.九品仏浄真寺のおめんかぶり
https://kuhombutsu.jp/event/omenkaburi/




三途の川を越える懸橋か

菩薩の行列が空を渡って死者を迎えに来る

子供心に 金色のお面がロボットの様に見えた

炎天下のお盆の日

お面の下の汗だく菩薩を扇ぐ付き人



天からは ゆったりと流れる雅な音が

平等院鳳凰堂の雲間の天女が奏でるよう

笛や鳳笙 それに琵琶



私が橋を渡る時

聞こえてくれば私は菩薩だ



4.  脳に流れる音楽


音楽は自然が作る振動だ



火山 地震 津波 崩落 雷鳴

銀河 日輪 花火 星月

漣 水滴 水流 瀑布 六花

草木 昆虫 線虫 野獣

洞窟 風穴 吹雪 風紋

それに人の活動も

嗚咽 歓喜 驚愕 赤面 怒髪 落涙

醜悪 恥辱 破局 無力

激励 行進 幸福  勝利 体操 飛躍 名誉

命の先には超自然界

エデンの郷 エリジウム 極楽 幽玄 竜宮

振動が不可能な宇宙空間さえも

すべてを人が楽器で表す

きっとレプトンなどが揺れている



音の意味は遺伝子に書かれているが

聴く人により様々に

音楽は言葉のようで

コトバとは違う

意味ははっきり聞こえない

三つ子でも危険を察して身を隠す

歌詞の意味も知らずに歌えるのだ



音のコッパ(木っ端)が熱くなり

体のチャクラを回すとき

信号が神経回路を激しく巡る

意識の回路に炎が上り

炎の乱舞が生命の旋風となる


 
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