交流の広場
老成学研究所 > 時代への提言 > 核融合科学研究所&哲理人シリーズ > 核融合科学研究所/日本の未来エネルギー 3️⃣:⑴『核融合』 日本のレベル Part 1
《はじめに》
未来社会を持続可能にするためには
その重要な条件群の一つであるエネルギーについて考えねばならない。
本シリーズは、老成学研究所が核融合科学研究所と合意の上 ”核融合” という新しいエネルギー確保の道を多様な観点からご紹介・情報発信することを目的としている。
以下、掲載されている写真/画像群については、核融合科学研究所の許諾のもと、核融合科学研究所管理下の写真/画像群を*印を付して使用させていただいていることを予めお断りさせていただきたい。
(画像提供 核融合科学研究所)
No.3
〈第一部〉
『核融合』
日本のレベル
世界におけるposition
Part Ⅰ : 日本のレベル
(画像提供:核融合科学研究所)
自らの立ち位置、レベルを把握することは
勝負において必須である。
日本の核融合分野の現状を並べてみたい。
核融合科学研究所は 自然科学研究機構(NINS *)という組織の一部であり、
大学共同利用機関という国立大学の仲間です。
(「未来のエネルギーを創る プラズマ研究」P.00 抜粋)
*自然科学研究機構/NINS(National Institutes of Natural Sciences) とは:
自然科学研究機構は、国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所の5機関で基本的に構成。
大学共同利用機関法人として最先端研究推進に努める。
〈将来構想の目標〉
世界最先端の共同利用·共同研究環境を活かし
❶大学などの研究力強化に寄与すること
❷国際共同研究を通じて世界最高水準の自然科学研究を推進すること
〈具体的方策〉
(1)異分野融合・新分野創成に繋がる機関・分野を越えた共同利用・共同研究の新たな実施体制の構築
(2)ネットワーク型共同研究やコミュニティの意見・大学の意向を受けて実施する共同利用・共同研究による大学の研究力強化への一層の貢献とその可視化
(3)国際センターの設立や大学の共同研究者の国際共同研究の参画促進等による国際的最先端研究の推進
(4)産学協同促進のための産業界への広報活動の強化と組織的対話の実施
(NINS ホームページ参考)
(画像提供:核融合科学研究所)
そもそも自然科学研究機構とは文部科学省管轄下にあり、2004年4月大学共同利用機関法人として発足した。既に1989年5月に名古屋市千種区に設立されていた核融合科学研究所はこの自然科学研究機構内の一研究所として再編され、同時に国立大学法人総合研究大学院大学、同大学院大学物理科学研究科核融合科学専攻が設置された。
(「NIFS 2020▶︎2021」 P.30抜粋)
* 参照:NINS/自然科学研究機構 ホームページ
https://www.nins.jp/site/organization/1037.html
(画像提供:核融合科学研究所)
核融合発電の実現に向けた研究開発及び学術基盤構築のためには、
世界の英知を結集する必要があります。
核融合科学研究所は、全国の大学の研究者に開かれた大学共同利用機関であり、我が国の核融合科学研究の中枢機関として、国内外の主要な大学・研究機関と学術交流協定を結び、更に200を超える大学・研究機関を双方向の活発な共同研究を進めています。
(「Fusion〜THE FUTURE ENERGY」P.21抜粋)
(画像提供:核融合科学研究所)
【国内研究機関との研究協力】
核融合炉の実現を目指した実績及び理論研究は、以下のように国内の多くの大学・研究機関において多岐にわたって進められています。
【共同研究の実施機関(全162機関)】
北海道地区
北海道大学など全4機関
東北地区
山形大学、東北大学など全11機関
関東・甲信越地区
茨城大学、筑波大学、宇都宮大学、東京大学、東京工業大学、横浜国立大学、総合研究大学院大学、新潟大学、東海大学、日本大学、高エネルギー加速器研究機構、海洋研究開発機構、量子科学技術研究開発機構など全63機関
東海地区
静岡大学、名古屋大学、岐阜大学、名古屋工業大学、中部大学など全19機関
北陸地区
富山大学、金沢大学、福井大学など全6機関
近畿地区
京都大学、大阪大学、兵庫県立大学など全23機関
中国・四国地区
愛媛大学、岡山大学、広島大学、山口大学、徳島大学など全16機関
九州地区
九州大学、長崎大学、熊本大学、鹿児島大学、琉球大学など全20機関
大学・研究機関と個別の学術協定(以下一覧)を結ぶことにより、それぞれの機関の得意とする研究分野との連携による新たな学術研究領域の開拓にも努めています。
(画像提供:核融合科学研究所)
【核融合科学研究所 学術協定 一覧】
(2020年4月1日現在)
北海道大学
東北大学
筑波大学
東京大学
富山大学
静岡大学
名古屋大学
名古屋工業大学
大阪大学
九州大学
量子科学技術研究開発機構
多治見工業高等学校
大学共同利用機関である核融合科学研究所は 我が国の核融合科学の中枢機関として、プラズマ・核融合研究の発展を目指しています。
全国の研究者に研究・交流の場を提供し、大学等からの幅広いニーズに対応する4つの国内向け公募型共同研究(以下説明)もその一環であり、毎年研究課題の公募を行い、共同利用・共同研究活動を強力に推進しています。
《4つの国内向け公募型共同研究》
① 双方向型共同研究
現在、以下の5つの研究所・センターが参画しています。
核融合科学研究所と特徴のある核融合関連研究設備を持つ大学附置研究所・センター間で核融合研究における重要課題を解決するために行う共同研究を指します。
〈核融合コミュニティ〉
・ 筑波大学プラズマ研究センター(ミラー)
・ 京都大学 エネルギー理工学研究所附属エネルギー複合機構研究センター(先進ヘリカル)
・ 大阪大学レーザー科学研究所(高強度レーザー)
・ 富山大学研究推進機構水素同位体科学研究センター(トリチウム取扱施設)
・ 九州大学応用力学研究所高温プラズマ理工学研究センター(高温壁球状トカマク)
* 新しい大学間ネットワーク型共同研究の先進事例として注目されています。
② LHD計画共同研究
大学等で育まれた各種萌芽的研究/手法/技術などを、大学などで発展させた後に、将来的にLHDに適用するための共同研究です。
核融合科学研究所と関係大学群が核融合コミュニティを構成し、それぞれの意見・要望を広く反映させた関係性のもとで共同研究審査を執り行います。
大学における核融合研究進展を目しています。
③ 一般共同研究
核融合科学研究所所が有する実験装置、計測器、計算機、データベース等を使用して行う共同研究です。
理学・工学分野の基礎から応用に至る幅広い研究課題を扱えるため、通常、大学等の共同研究者が核融合科学研究所を訪れて共同研究を実施します。その他、大学間共同研究や核融合科学研究所で「研究会」を開催することもできます。
大学院生も共同研究者として参加可能なため、大学院教育、若手育成にも貢献しています。
④ 原型炉研究開発共同研究
文部科学省の原型炉開発総合戦略タスクフォースで策定された「原型炉開発に向けたアクションプラン」推進のために、2019年度より核融合科学研究所が第4の共同研究として開始したものを指します。
同プラン推進には、量子科学技術研究開発機構も並行してアクションプランの推進に取り組んでおり、双方の成果を調整することで同戦略タスクフォースに貢献する構図となっております。
(「NIFS 2020▶︎2021」 P.22〜24抜粋)
核融合科学研究所は大学共同利用機関として、次世代の優れた人材を育成し、社会と連携しながら、核融合プラズマに関する基礎的研究・教育を強力に推進しています。
1億度にも達する超高温・高密度の核融合プラズマとその制御は、物理学、電気工学、超伝導工学、材料工学、シミュレーション科学など 理論と実験にまたがる現代理工学の幅広い分野の最先端を包括した学術研究対象です。
核融合科学研究所は全国・全世界の研究者コミュニティの知が結節する中核拠点です。
未来を引き寄せる研究拠点を是非”検索冒険”してみてください!
(画像提供:核融合科学研究所)
日本の最先端核融合研究拠点
・QUEST
トカマク方式 九州大学応用力学研究所
・激光Ⅻ号
レーザー方式 大阪大学レーザー科学研究所
・Heliotron J
ヘリカル方式 京都大学エネルギー理工学研究所
・JT−60SA
トカマク方式 量子科学技術研究開発機構
・GAMMA10/PDX
ミラー方式 筑波大学プラズマ研究センター
(「未来をつくるエネルギー 核融合」 P.06抜粋)
[参考]
・ヘリカル方式:
コイルを螺旋状に捻ってドーナツ型の磁場を作り、プラズマを容器に閉じ込めます。(→LHDはヘリカル方式です)
・トカマク方式:
プラズマ中に電流を流すことでドーナツ型の磁場を作り、プラズマを容器に閉じ込めます。
・レーザー方式:
強力なレーザーを使って超高密度の状態を作ります。
(「未来をつくるエネルギー 核融合」 P.05抜粋)
* より詳しい情報に関しましては、是非 下記『核融合科学研究所ホームページ』をご覧ください。
URL : https://www.nifs.ac.jp/
(画像提供:核融合科学研究所)
☆ 次回 4️⃣(1)は同テーマ『核融合』にて 「世界におけるPosition Part Ⅱ 」を展開させていただきます。
(文・編集:前澤 祐貴子)
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